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音律 - 純正律と平均律 - (2)
ドレミファソラシド(純正律)・純正律(Pure Temperament)
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音律 - 純正律と平均律 - (2)

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ドレミファソラシド(純正律)

普段、私達が親しんでいる「 ドレミファソラシド 」ですが、
さかのぼるとギリシャ時代にまでいきます。

純正律 』と『 平均律 』という言葉は聞いたことがあると思います。

「ドレミ」が生まれ出てきたのは、まずは『純正律』からです。
純粋に音の響きから作られた音律です。

ギリシャ時代、その頃すでに、
振動数が 1:2 の関係にある2つの音は、
同時に鳴った時、ほとんど1音のように響くことが知られていた様です。

振動数が1:2ということは、
発音体が弦として、
その長さが2:1ということですね。


この2音の成す音程が、
オクターブ(octave) 』です。

振動数が2:3の関係にある2つの音は、
完全5度(Perfect 5th) 』となるのですが、
これを見つけたのが、
ギリシャの数学者、ピタゴラス(BC 6C)です。

オクターブと完全5度の音程を成す振動数と振動数比



そして、アルキタス(BC430〜360)が、
振動数比4:5で、
非常に美しい響きを得られることを見つけました。
長3度 』です。

これを、『 純正長3度 』と言います。

今、私達が使用している「ドレミ」は『 平均律 』ですから、
それよりはるかに綺麗な響きです。

純正長3度の音程を成す振動数と振動数比




これらの発見を組み合わせていきます。



任意の音から、上下に完全5度を成す音程

まず、任意の音(ここではC音で説明していきます。)の上下に、
完全5度 」の音程をとります。

C音から、上下に完全5度の音程を成す振動数と振動数比


上にとった『 完全5度 』は、
C の振動数を1とすると、
3/2 という振動数比が得られます。



下方の音を1オクターブ上げると、
『完全4度(Perfect 4th)』の音

C音からの下方完全5度の音を、オクターブ上げた時の振動数と振動数比

下側の「完全5度」は、振動数比 2/3 ですが、
オクターブ上げる、つまり、振動数が2倍になるわけですから、
2/3 x 2 = 4/3
ですよね。


完全4度 』の振動数比は、 4/3 となります。



3音の各音から、『純正長3度』をとる

基になった音、完全4度上の音、完全5度上の音それぞれに対し、
純正長3度 」の音を作ります。

C音・完全4度上・完全5度上の音から、それぞれに対し「純正長3度」の音程を成す音の振動数と振動数比


これで、 5/4、5/3、15/8 といった音が出てきます。



ここで、一旦出てきた音を整理してみましょう。

音階(スケール Scale)ができる1つ前段階での各音の振動数と振動数比

それぞれ前後する音の音程を比較してみると、
C とその次の音との間には、まだ開きがあるので、
ここの間にもう1音作ったほうが良さそうです。



上方に「完全5度」を2回とって、オクターブ下げる

オクターブの次に単純な振動数比である 「完全5度」を2回 とって、
その音をオクターブ下げます。

C音から上方に「完全5度」を2回とって、オクターブ下げるまでの音程の振動数と振動数比


3/2 の2乗 x 1/2 = 9/8 となり、 9/8 という振動数比の音ができました。



音階(スケール Scale)の完成

音階(スケール Scale)の各音の振動数と振動数比


ある任意の音から、
「オクターブ」、「完全5度」、「純正長3度」の3つの組み合わせ で、
こうやってスケールができたんですね。




純正律(Pure Temperament)

音階を構成する各音の振動数比を決定することを『 音律 』といいましたが、
上記の方法による「音律」に基づいて、
楽器を調律し、演奏すると、 非常に美しい響き を得られます。

この方法による音律を『 純正律 』といいます。

しかし、「純正律」では問題があります。

ドとレの振動数比が 1 : 9/8 であるのに対し、
レとミの振動数比が 9/8 : 5/4 = 1 : 10/9 となり、
同じ全音(Whole Tone)であっても、
『大全音』と『小全音』があること。


そして最大の問題点が、
転調ができない 』ということです。

鍵盤楽器を一度調律(チューニング)したら、
各音の高さを変えることができません。

調が変わったら、
その調に合わせてチューニングされた楽器が必要となります。


そこで、『 平均律 』という考え方が出てきました。


では、次に「平均律」です。

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