記譜法
とは、
音楽を「可視的」に表記する方法
のことです。
これには、
動機譜、奏法譜、文字譜、譜線譜
等いくつかありますが、
私達が主に使っているのが、「
5線記譜法
」です。
17世紀以降、ヨーロッパで完成された記譜法です。
5本の線に、
音符 : 音の有無の長さ
譜表 : 音(符)の位置
+
各種記号
[速度]
[表現法]
[演奏手法]
[省略記号]
を記入し、表す方法ですね。
それでは、各項目を見ていきましょう。
1.五線
私達が一般的に使っている「
五線譜
」は、
音の高さが相対的に表されています。
つまり、高い位置に書かれている音は、
低い位置に書かれているものよりも高い音であることが、
視覚的に捉えることができるということです。
五線に関しての名称は、
「線」も「間」も、下から数えたものです。
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加線 |
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第五線 |
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第四線 |
第四間 |
第三線 |
第三間 |
第二線 |
第二間 |
第一線 |
第一間 |
「加線」の呼称
五線の上に1本加えたものは「上第一線」、
下に1本加えたものは「下第一線」という風に呼びます。
上か下かに加えた本数分で「上(下)第○線」となります。
2.音部記号 -- Clef
音部記号とは、音高の、絶対的基準を示す為の記号です。
ト音記号(G Clef)はト音(G音)の場所を、
ヘ音記号(F Clef)はヘ音(F音)の場所を示す為の記号だということです。
ト音記号:高音部記号
ヘ音記号:低音部記号
が一般的ですが、
ハ音記号:中音部記号
もあります。
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ト音記号 G Clef |
この位置の音が G音であることを 示す |
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ヘ音記号 F Clef |
この位置の音が F音であることを 示す |
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ハ音記号 C Clef |
この位置の音が C音であることを 示す |
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ト音記号(G Clef)は、筆記体の G から来ています。
ヘ音記号(F Clef)の点は、F の横棒ですね。
ハ音記号(C Clef)は、逆向きの C が2つ有るのではなく、
C が裏返し(?)になっている状態の様です。
この記号の中央部の形がCということです。
ここで大事なことは、
これらの記号の意味するところを理解しておくことです。
ト音記号は「書き出しの線」が、
ヘ音記号は「点で挟まれた線」が、
ハ音記号は「記号中央部」が、
それぞれ、ト音・ヘ音・ハ音となるということです。
本来、音部記号の上下位置が変われば、
それが指し示す箇所が、指定の音となるのです。
ですから、音符同様、丁寧に書きましょう。
(ハ音記号以外、違う位置のことはまず無いので、
ルーズな書き方をしても、判るっちゃ〜判りますが・・・
実際、現場ではかなりルーズです。)
ハ音記号
ちなみに、ハ音記号を付した譜面は、
ト音とヘ音の間に位置する音域の楽器に使います。
上記の第三線に中央部が来るのを
「
アルト記号
」(ヴィオラ等使用)、
第四線に来るものを
「
テノール(テナー)記号
」(チェロ、テナートロンボーン等使用)
と言います。
他に、
第一線が「
ソプラノ記号
」、
第二線が「
メッツォ(メゾ)ソプラノ記号
」、
第五線に来るものを「
バリトン記号
」
と言います。
このハ音記号ですが、
縦の二重線にC、「 ‖C 」と書かれることも多いので、
「 ‖C 」とあったら、このハ音記号のことです。
結局、音部記号に種類があり、位置も変わるのは、
加線が多いと譜面が読み辛いからです。
これらによって、音高の絶対位置を表しているのです。
大譜表
ト音記号とヘ音記号とを、2段で組んだ譜表を「
大譜表
」と言います。
この「大譜表」と、ピアノの鍵盤の関係はというと・・・
大譜表の上の、ト音記号の譜表の「下第一線」上の音、
下のヘ音記号の譜表の「上第一線」上の音、
どちらも同じ音を指していますが、「 C 」ですね。
この「 C 」が、
ピアノの中央部、鍵穴に一番近い「 C 」の鍵盤となります。