1.pitch - 高低
音というのは、
発音体となる物体が一定の周期で振動し、
その振動が空気の粗密波となって伝わり、耳に届くことで、
音として捉えられるわけです。
その粗密波の振動数を、
1秒間にどれだけ振動しているかを表したのが「
周波数
」で、
単位は「Hz」(Herz)ですね。
周波数の大きいものほど、高い音として聞こえるのは、
ご承知の通り。
2.loudness - 大きさ
粗密波の振幅が大きくなればなるほど、大きな音となります。
「振幅」は、上下の高さに当たります。
つまり、横軸の幅は変わらずに、縦軸方向に大きくなればなるほど、
大きな音として捉えられるわけです。
3.tone color - 音色
発音体の、材質や、それをどの様に振動させるかによって、
音の大きさや高低に関係無く、特有の音がします。
それが「
音色
」です。
波形で表すと、その形に違いが出ます。
その違いは何かというと、音の「
倍音構造
」の違いです。
楽器の音も、基音(fundamental tone)の他に、
倍音(over tone)をいくつも含んでおり、
その倍音の、第何倍音が、どれ位の割合で含んでいるかということが
「倍音構造」ということです。
倍音構造が複雑になれば、波形が複雑になります。
人間の耳が捉える音として、
倍音構造の複雑な音は、「豊か」な音に聞こえ、
倍音構造の簡単な音は、「透明感」の有る音に聞こえます。
例を挙げると、バイオリンの音に比べ、フルートの音は、
より簡単な波形を示します。
なので、音に「透明感」を感じるのです。
ここで、奏者として勘違いして欲しくないことは、
倍音構造が より複雑 = より良い音
で有るかのように、単純に思ってはいけません。
確かに、倍音構造がより複雑であれば、情感のより豊かな音として捉えられますが、
あくまで、その楽器の特性を考えた上で、
「音色」の判断をしなくてはいけません。
サックスでいうと、
良い音を出そうと単純に、倍音を出す練習をする人がいますが、
それよりもまず、自分が求める「
良い音色
」を明確にすべきです。
しっかりとイメージを作ることのほうが、余程大事です。
イメージを明確なものとすることで、自然にそれに近づいてきますから。
さらに、倍音を出す練習をする時期が早ければ、
正確なアンブシュアが判らなくなってしまいがちです。
正確なアンブシュアを崩してしまうことほど、
愚かなことは有りません。
「リラックス」した音を出すことを優先して下さい。
倍音を出す練習の方向性を間違えると、得てして、
音が緊張しがちです。
相当、あれやこれやとアンブシュアを変化させ、
何が何だか判らない状態に陥って・・・。
そうなれば、リラックスどころでは有りません。
音が緊張していると、聞いている方は辛いです。
リラックスした音を出した方が、
相手に訴える力が強いことを認識して下さい。
すんなりと相手に入っていきますから。
倍音の練習等には、適正時期というものが有ることを忘れないで下さい。
技術を上回った知識に振り回されると、
遠回りすることになりますし、要らぬ悩みを作り出すことにもなりかねません。