『 Major Diatonic Scale 』の項目で出てきた『
Dominant Motion
』について、
もう一度、詳しく説明していきます。
Dominant Motion ドミナント・モーション
復習です。
Dominant 7th Chord には、「 Tritone (3全音)」を含んでいました。
+4(増4度)=-5(減5度)となる音程が、
複雑な比率(65:45)の音程であると同時に、
「協和音程への移行を暗示する傾向」が強いんでしたね。
そして、この Tritone が、
半音で拡散して m6 、半音で縮小して M3 という、
協和音程へ移行して解決しようとすることを、
『 Tritone トライトーンの解決』といいました。
この Tritone の解決を声部進行として持つのが、
Dominant Motion ドミナント・モーション
です。
ドミナント・モーションの基本的条件として、
- tritone の解決を、声部進行に持っている
- Root Motion がP4↑(=P5↓)
この2点が挙げられる、ということでしたね。
ここまでが復習です。
さて、Dominant Motion ( D.M )ですが、
Chord Analyze (アナリーゼ、アナライズ)の際には、
以下のように、弧を描く矢印で表します。
実際の Dominant Motion( D.M )
実際のChord 進行の D.M では、
Tritone の解決が正しく(?)成立していないことの方が多いのです。
例を挙げます。
1つ目。
B 音が、持続する形で残って(引き継いで)います。
2つ目。
7th Chord の連続。
これらが、なぜ成立しているのか。
ここ、大事です!!
《 D.M における 7th Chord の Tritone の役目は、
次の Chord への進行(解決)を期待させることにあるんです。》
Tritone の重要なポイントです。
上で述べましたが、
「複雑な比率の音程であると同時に、
(その複雑な比率から、簡単な比率へ移行したがる性質として)
『協和音程への移行を暗示する傾向』を強く持っている
」
というのが Tritone です。
そして、暗示させるというのが役目となるわけです。
本来の解決先である Chord を暗示、期待させるんですね。
「解決する」というのは、どういうことでしょうか。
解決してしまうわけですから、
そこで終わってしまうということですね。
ですから、
本来の解決してしまうコードではなく、
それを肩透かしを食らわすかのように、
代理コードであったりするコードに進行し、
次へ、次へと、本来の意味での「解決」を引き延ばしすることで、
曲の流れを作っている、といえるでしょう。