前ページで出てきた『
主要3和音
』について、
もう少し掘り下げて説明していきたいと思います。
倍音( harmonic / overtone )と倍音列
主要3和音の説明の前に、「倍音」についてお話しておきます。
音は、その本来の周波数の他に、
その周波数の「整数倍」の周波数を内在するんですね。
これを、『
倍音 harmonic / overtone
』といいます。
そして、
基準となった音のことを、『
基音 fundamental Tone
』といいます。
振動数 64Hz の音でいうと以下のようになります。
基音 |
2次倍音 |
3次倍音 |
4次倍音 |
5次倍音 |
64 (Hz) |
128 |
192 |
256 |
320 |
|
6次倍音 |
7次倍音 |
8次倍音 |
9次倍音 |
10次倍音 |
11次倍音 |
384 |
448 |
512 |
576 |
640 |
704 |
|
12次倍音 |
13次倍音 |
14次倍音 |
15次倍音 |
16次倍音 |
・・・ |
768 |
832 |
896 |
960 |
1024 |
・・・ |
|
これを譜面にすると、こうなります。
([ * ] のマークの付いている、7次・11次・13次・14次倍音は、
平均律との間に、かなりの誤差があります。)
この、倍音の音列を
『
倍音列 harmonic series / overtone series 』といいます。
メジャー・トライアド Major Triad (長3和音)の発生
さて、上記は、「 C 」の倍音列でした。
この倍音のうち、5次倍音までを収束すると、
C から、3度堆積による音の集合=コードができます。
C Major Triad です。
コードに対して、このような捉え方もあるわけです。
主要3和音
これまでの説明も含めて、
主要3和音の関係を説明します。
key C においての C 音と、G ・ F の関係はというと、
以下のようになります。
C から完全5度上が G です。
また、完全5度下が F ですね。
C を基音として、その3次倍音が G となります。
F を基音とすると、その3次倍音が C なわけです。
主要3和音には、
そのような関係があるんですね。
C から見た、G ・ F といった音のことを、
「
近親音」といいます。
G ・ F も含めて、上記の倍音の堆積を見ると、
次のようになります。
Major Diatonic Scale へ
主要3和音である、Tonic 、Dominant 、Sub-Dominant の、
各 Triad のコード・トーンを収束すると、
「 Major Diatonic Scale 」を満たすことになるんですね。
主要3和音というのは、
それぞれが重要な働きを持っていると同時に、
このように、構成的な観点から見ても、
重要なコードといえるのです。