おはようございます!
【 Sax-Fan サックス・ファン 】 の瀬尾です。
前回の『ジャズは伝統音楽』、
ご理解頂けましたでしょうか。
ご自身の音楽に、
落とし込んで下さればと思います。
今号では、
「表現者」ということに関して、
さらに書いてみたいと思います。
表現者にまず必要なもの
表現者は、表現をするのですが、
そこにたどり着くのに、
必要なことがあります。
よく言われている言葉を使うとすると、
「自分の殻を破る」ということなのかな、
って思うんですが、
私の言いたいことと、
言葉のニュアンスが少し違うかもしれません。
なので、誤解の無いように、
説明させて頂きますね。
自分を表現していくには、
自分の中にあるものを、
エネルギーとして放出しなければいけません。
出しきることが必要です。
曲にしても、
色々な内容のものがあるわけですから、
その役を演じきるようなことも必要です。
そこに、恥ずかしさとか、
そういったものがあるとどうでしょう。
あるいは、
レッスンを受けている先生の視線を気にしたりするような、
そういう、人の視線を気にしながらとか。
そんな状態では、
伝わるものも伝わりませんね。
そんなところで躊躇していけはいけません。
そのために、表現する上で、
自分の「臨界点」を超えておく必要があるのです。
そういう部分での、
「殻を破る」ということです。
エネルギーを放出する時というのは、
まるでダムが決壊したかのような、
ドバ〜〜ッという感じのすごいエネルギーを、
出し続けているようなイメージです。
あるいは、
核融合が臨界点を越えた時に、
爆発的に反応し大きなエネルギーを放出する、
そんな感じですかね。
曲のカウントが始まったと同時に、
そのスイッチが入らないといけないんです。
それだけのものを出そうと思えば、
恥ずかしがったり、躊躇したり、
そんな、遮るようなものは邪魔なんです。
うまく演奏しよう、
綺麗に演奏しよう、
そんなことが頭をよぎった瞬間、
音楽の流れはストップしてしまいます。
メトロノームがカチカチいっているような、
ただそれだけのものになってしまいます。
あなたは、何の迷いも無く、
あなた自身をさらけ出すことができますか?
テクニック的にうまいとか下手だとか、
そんなことは関係ありません。
全てが出せるのかどうか、
カウントが始まったと同時に、
あなた自身はじけることができるかどうか、
なんです。
車には、
仕様スピード以上のスピードが出ないように、
リミッターが付いています。
あなたの中にある、見えないリミッターは、
外してしまわないといけません。
あなたの中の心理的な殻を、
取っ払っておかなくてはいけません。
そして、表現することに、
おかしな枠があってはいけません。
枠というのは、
自分自身が勝手に思い込んでいる枠です。
勝手に作り上げられた枠です。
ビジネス関連でもよく取り上げられる、
「蚤の話」はご存知でしょうか。
蚤は、自分の体長の何百倍もの高さを、
ジャンプすることができます。
蚤にグラスをうつ伏せて被せてしまうと、
ジャンプの度に、
グラスの底部分にぶつかってしまいます。
何度も何度も何度も何度も…、
そんなことを繰り返します。
ジャンプしても、
グラスの高さで MAX なんです。
その内それを学習し、
それが当たり前の様になってから、
グラスを退けます。
蚤は、グラスが無いにも関わらず、
グラスの高さ以上に跳ぶことは、
もう、死ぬまで無い、
という話です。
あなたのこれまでの日常生活で、
こういった見えない壁ができているかもしれない、
ということを理解して下さい。
常識であったり、
自分はこういう人、という思い込みだったり、
心理的に制限のあること全てです。
表層に現れている意識だけのことではありません。
潜在意識もです。
そこから抜け出すには、
大気圏から抜け出す時の様に、
ものすごいパワーを必要とするかもしれません。
ここをしっかり考えて欲しいのですが、
動植物は、
生きることに一所懸命じゃないですか。
原点を見て下さい。
そこに、
ピュアで大きな素晴らしいパワーがありますよね。
それに気付いて下さい。
それを覆い隠すように被されたものを、
剥がしてしまって下さい。
今までの長い年月を経て、
積もり積もったものを取り除くには、
大きなパワーが必要でしょう。
でも、原点にあるパワーに比べれば、ねっ。
枠というのを言い換えて例えるとすると、
愛がどうの、とか話する人が、
ジュラルミンの楯を持っていてどうするんですか、
って話です。(笑)
気が付かない内に、
楯を持たされてしまっているかもしれないんです。
あるいは、無意識で、
自分自身で手にしているかもしれないんです。
核にある、
パワーや、真実や、可能性や、
そういったものに気付いて下さい。
あなたも持っているんですから。