おはようございます!
【 Sax-Fan サックス・ファン 】 の瀬尾です。
発行に、だいぶ間が開いてしまいました。
基本、不定期発行とはいえ、
極力2週間以上開かないようにしているのですが、
先週はダメでした。
時間の作り方がうまくなかったですね。反省。
前号で、Voicing ヴォイシングの話が出ましたので、
今号は、ジャズ的なコードの捉え方を交えて、
Good Sound について書いてみたいと思います。
Good Sound
まず最初に、基本となる音を。
コードの、
Root, 3rd, 7th の3音のサウンドを、
「 Basic Chord Sound 」といいます。
「5度は?」と思った方。
ちょっとこちらのページを開いて下さい。
音楽理論 入門編 「主要3和音」
このページの中より少し上にある、
「倍音列」の譜面をよくみて下さい。
3次倍音が 5th の音になっていますよね。
(2次は、オクターブ上の音です。)
Root(基音)の音を出している時点で、
5th は大きく含んでいるんです。
なのであえて出さなくても省略できる、
という風に考えられます。
この、Basic Chrd Sound を中低音で鳴らし、
高音部に、
9th, 11th, 13th といったTension テンションや
Chord Tone コード・トーンを乗せるというのが、
Good Sound にしていくことの一つです。
ただ、コードの流れや、
楽器の性質や音域といったこともありますので、
Tension や Chord Tone が、
Basic Chord Sound の内側にくることだって
当然あります。
絶対こうだというものでもありませんが、
概ね、この様な形に持っていくのがポイントです。
ジャズで多い構成、
小人数のバンドを「 Combo コンボ」といいますが、
コンボであってもビッグ・バンドであっても、
こういう音の構成の仕方が、
アレンジの際の基本となります。
そして、これをもう少し突っ込んで考えてみますね。
コード楽器に、ピアノやギター等がありますよね。
コンボという楽器編成で考えてみましょう。
ドラム、ベース、ピアノ、サックスという、
カルテットだとします。
ベースが出している音のメインとなっているのは、
コードの Root の音です。
ということは、
ピアノは Root 音を省略することができますし、
上記の考え方から、
5th の音を省略することも可能です。
(絶対省くとか、
そういったものでないことは理解して下さい。
コードの 3rd の音は、
メジャーかマイナーかを決定付ける大事な音なので、
これは省けません。)
となると、指が余ってきますね。
その分、Tension を乗せることができてくるわけです。
こんな説明で良いのかどうかは置いといて。(笑)
さらにピアノのバッキングは、
リズム楽器的要素も併せ持っています。
ベースは「ランニング」といって、
4ビートの要でもありますが、
4分音符を主に刻んでいます。
ドラムは当然、リズムですが、
これもジャズらしい考え方なのですが、
通常、ロック等その他のドラミングの場合、
バスドラムがビートのメインとなるリズムをキックして、
主にベースと合わせることで、
低音部のパワーを出していますが、
ジャズでは、
これをトップ・シンバルに持ってきています。
(ドラマーとして座った位置として、
右前にあるライド・シンバルです。
場合によっては、ハイハットでやっています。
こちらは、
左足で開閉している2枚合わせのシンバルです。)
よく聴くパターンだと思います。
シンバルで、
チーチッチ・チーチッチ・・・てやってますよね。
テンポが速くなると、
インチキインチキインチキインチキ・・・
みたいになりますが。(笑)
あれです。
こうなることで、右足は自由になりますから、
ここぞというポイントで
アクセントを置けるようになるんですね。
これで、四角くないサウンドというか、
自由さが出てきているんだと思います。
これらのメンバーが創り出したサウンドに、
サックスであるあなたは、
自由に乗っかって、
メロディーを繰り出していけば良いんです。
大体の考え方、分かりましたか?
どうもジャズっぽいサウンドにならない、
というそのほとんどは、
コードの、
音の積み上げ方の考え方の違いによるところが
大きいのですが、
大雑把に言って、この様な考え方なんですね。
バンドとしてのそれぞれの役割というか、
そういったのも、こんな感じです。
何となくでも、
サウンドを創り上げることのイメージは
できますでしょうか。
あと、大きな問題として、
「 Swing スウィング」することがありますが、
これを次回で説明したいと思います。